○ 家の性能を考えるとき、断熱・気密性も大切ですが、耐久性も大切ですよね。
家を100年とか200年持たせたいと考えると、基礎にも目を配らないといけないみたいということで、コンクリートの本を読んでまとめてみました
タイトル:コンクリートの施工のコツが分かる本
著者:十河 茂幸、武田 宣典
出版社:セメントジャーナル社 出版年:2006年2月20日
■ この本を読んで分かったこと
第1章 長期的な戦略が必要な設計
ü 設計時には以下のポイントに配慮し構造条件を設定する必要がある
① 構造物の置かれる外的環境
② 想定される活荷重(載荷条件)
③ 地震に対する備え
④ 使用材料に対する劣化因子を想定した、供用に伴う使用性、維持管理の手間と費用を考慮した材料設計
⑤ 施工中の環境保全
ü 基本的に、コンクリート構造物はメンテナンスフリーと考えてよいが、必要に応じて以下の対策をしておくことが望ましい
① 中性化による鉄筋腐食が懸念される場合:コンクリートの品質と適切なかぶりかぶりの設定でメンテナンスフリーとできる
② 凍害:適切な気泡を導入することで凍結融解に対する抵抗性が高くでき、耐久性を確保できる
③ 塩害:塩害環境では、メンテナンスフリーを前提としながらも、維持管理(点検や延命措置)を講じることで建物を維持することを考えるべき
第2章 品質の良否を決める施工計画
ü 施工段階で生じるコンクリートの不具合としては、ジャンカ、コールドジョイント、あばた、空洞、背筋のずれ、かぶり不足、材料分離に伴う局所的ひび割れがあるが、その多くは正しい施工計画とその実行で回避することができる
ü 打込みは時間との戦い。施工計画通りに実施するために、関係者が各自の役割、何をいつ行うべきかが周知徹底されていなければ成らない
ü 十分な配慮がなされたとしても生じてしまうひび割れとしては、温度ひび割れや乾燥収縮ひび割れがある。これらは材料の配合に立ち戻る必要がある
第3章 製造の基本は正確な計量と十分な練混ぜ
ü 練混ぜの基本は、各材料が均等になるような「混ぜ」とすりつぶし効果を期待する「練り」
ü 練混ぜで重要なのは、水和反応を効率的に発揮させるためにセメントのだまを無くすこと
ü 十分な練混ぜは、練混ぜ装置と練混ぜ方法が結果を大きく左右する
ü 正確な計量は、表面水率の測定制度と計量装置が結果を左右する
ü 材料の品質の変動が大きいと、それを正確に把握することは困難、安定した品質の材料を貯蔵することが、品質変動の少ないコンクリートを製造するには最も重要。そのためには、細骨材はサイロか屋根つきヤードで貯蔵している業者を選ぶべき。野積みはさける
ü よい気泡は練混ぜ時に混和材でワーカビリティ向上や耐凍害性を高めるために導入する。一方、悪い気泡は、コンクリートの練混ぜ、運搬、打込み溶きに混入するもので、施工時にバイブレーターで締固め時に排出する必要がある
第4章 分離させない運搬方法
ü コンクリートの運搬時の注意点は、練混ぜたコンクリートを分離させないこと、速やかに運搬すること
ü 運搬時間が長くなるとコンクリートの品性が変化するため、JISでは運搬時間を90分以内としているが、気温が25℃を超えるときは60分とするとよい
ü JIS規定の生コンの場合、荷卸し時点のスランプや空気量を発注条件とする
ü コンクリートの製造時に運搬中のスランプ値や空気量の低下(スランプロス)を見込み、さかのぼって設定するが、この変化は季節や使用材料により異なるので注意が必要
ü 荷卸時間の範囲を厳密に管理しないと、時間経過による品質変化で受け入れ条件未達成になるリスクがある
ü 生コンの単位水量は、コンクリートの強度や耐久性だけでなく、ひび割れの原因にもなる。これはコンクリート技術者であれば知らない人はいない。それにも関わらず加水をしたとなれば、明らかに犯罪行為。
第5章 分離させないことが打込みの決め手
ü 土木学会のコンクリート標準示方書では、打込み時の筒先からの落下高さは1.5m以下にするようにとの記載がある。これは打込み時の分離を避けるため
ü 粗骨材の分離を生じさせないためには、打込みに際して落下高さを小さくし、できるだけ鉛直に落下させ横移動距離を小さくすること
ü 振動機を使ってコンクリートを水平移動すると、モルタルが移動し粗骨材が沈下するリスクがある
ü 土木学会のコンクリート標準示方書で1層の高さ40~50cm以下を推奨しているのは、1層の高さを大きくすると流動して流れやすくなるから
ü コンクリート面にできる「あばた」は、かぶりをそれだけ小さくしていることになり耐久性に影響する不具合と考えたい
ü 型枠面に気泡が目立つ場合が散見される。とはいえ、気泡を完全に除くために振動を長くかけすぎると骨材沈下などの材料分離が生じる。型枠際の施工は、スページングなどで少しずつ気泡を除去しながら打込むのがいい
第6章 バイブレーターを使った効果的な締め固め
ü 「締め固め」は、打込まれたコンクリートの見かけの密度を大きくする行為。破壊時の弱点となったり、劣化因子の進入経路になったりする空隙を減少させ、安全性・耐久性を向上させる目的で行われる
ü スランプが12cm~18cm以上のコンクリートでは、締め固めは作業を表す言葉として程遠いのが現実。正確には脱気作業と表現したほうが実際に合う
ü ブリーディーングはコンクリートの打込み直後に生じ、沈下ひび割れの発生や鉄筋の付着を低下させるなどの悪影響があるが、締め固め作業で減じることはできない。配合に立ち戻って考える必要がある
ü 打込み時は締め固めが主役。一層の打込みは厚さが40cm~50cm、振動記は50cm間隔で5~15秒振動させるのが標準(固練りは長め、難練りは短め、振動の伝播距離は50cm)
ü コールドジョイントは、先に打込んだコンクリートと後から打込んだコンクリートの打ち重ねた部分で、コンクリートの一体性が損なわれる欠陥のこと
ü コールドジョイントを防ぐには、打ちまわし計画を厳密に立て、許容打ちまわし時間間隔を2時間とし、計画段階では1時間で計画するとトラブルを許容できる
ü 打ちまわしの際は、あらかじめ前に打込まれたコンクリートを振動させておき、新たに打込んだ後、前に打込んだコンクリートに10cm挿入して振動させることが推奨
第7章 仕上げはタイミング重視で
ü 表面にブリーティング水が残っている状態で、コテ仕上げを行うと、その水分が表面に巻き込まれ、水セメント比が大きい状態となり強度は弱くなる
ü 水に洗われるとレイタンス層が形成され、仕上げ面で表面剥離を生じる可能性がある
ü 仕上げ時期は、表面の耐久性を決める極めて重要な技術である
ü 仕上げのひとつの目安は、ブリーティング水が水和反応(セメントの硬化)により減り始めるタイミング
ü 仕上げのタイミングは、季節やセメント種類により異なる
第8章 初期の養生が耐久性を決める
ü コンクリートは水とセメントの水和反応で成長する
ü 水和反応の速度は温度に依存し、高温になるほど反応が早くなる。
ü 環境温度を高くすると強度発現は早まるが、硬化する組織が早く形成されるため緻密さにかけ、長期強度長期強度は出にくくなる
ü 十分な湿潤状態が長期強度を発揮するが、表面の水が浸透する事はないので、養生はコンクリートの乾燥防止が目的である
ü 十分な水分の供給は、コンクリート組織を緻密にし水密性を向上する。その結果、コンクリート内部への劣化因子の侵入を遅らせられ、長期強度と耐久性を向上できる
ü 養生の目的は、コンクリートを湿潤状態に保つこと。適温状態に保つこと
ü 水分を供給できなくても、水分の逸散を防ぐだけでもコンクリートの成長を助けるので、シートを用いて乾燥を防ぐことも有効
第9章 型枠・支保工は施工者責任で
ü コンクリート工事の中では、型枠・支保工に関する事故が最も多い
ü 構造物の発注者は完成後のコンクリート構造物が要求性能を満足すればいいので、施工中の安全を守るのは施工者の責任である
第10章 鉄筋工はコンクリートの充填性に注意
ü 鉄筋は、材質と呼び径(直径)で区分され品質はJISで規定されている
ü 鉄筋には、丸鋼と異型棒鋼があり、異型棒鋼はリブと節があるので単純に直径を計れないため、呼び径でその太さを表現する(D29は異型(Deformed)、29は直径をあらわす)
ü コンクリートの鉄筋には異型鉄筋が使われる
ü 施工制度の確保のため、スペーサーの数は、水平方向の鉄筋には1㎥あたり4個以上、鉛直方向に対しては2個以上が目安
第11章 維持管理のために残す記録
ü コンクリート建造物の検査は、施工中に確認しておくほうが合理的に行えるもの(鉄筋の本数、継ぎ手等)、と完成後にするもの(かぶり、継ぎ手、圧縮強度等)がある
ü 竣工検査は、維持管理計画の最初の検査。その後も定期的に記録をとっておく必要がある
■ 取り入れる考え方・これからやること
ü 骨材を屋内ヤードで管理しているコンクリートメーカーを選びたい(正確な計量)
ü 運搬時にコンクリートを分離させないよう気を配る運搬業者を選びたい
ü 運搬時間は90分以内。温度が25℃以上の時は60分に抑えてもらう
ü 打込み前に、背筋工事はきちんと終わらせ、コンクリート到着時に運搬車を待たせない
ü 事前に打込み時の計画を作成、確認させてもらう
ü 打込時も分離させないように注意する施工業者を選びたい(打込み高さ、バイブレーターのかけ方(50cmおき)
ü 背筋時のチェックはかぶり厚さ6cm以上、継ぎ手は鉄筋の直径の20倍以上(2ピッチ、52cm以上) ←これはこの本には書いてありませんが。
ü 養生環境を十分に配慮する施工業者にまかせたい
ü 養生期間中はシートをかぶせて貰い、急な雨の影響等をできる限り下げたい
ü 養生温度は10度~20度、基礎工事は春か秋に行いたい
ü 型枠をはずしたあと、基礎の表面にビニールシートを張り湿潤環境を維持してもらう
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